記録編 ボストン
ハンズオン展示で学ぶ〜子ども博物館
The Children's Museum
上越教育大学・院 社会系
(秋田市立桜小学校) 川村直子
3.安全・衛生面への配慮
 この博物館は安全面・衛生面など訪れる人へのサービスにも細やかな心配りをしている。階段の滑り止めや子どもの身長に合った手すり、遊ぶときの注意事項の掲示などと言った安全面への配慮はもちろんだが、水場でのエプロンの用意、手洗いやハンドドライヤー、水槽の水質管理など衛生面にも心配りがなされている。また、スタッフは手助けや安全面での注意が必要な箇所にのみ待機し、活動を妨げないようにサポートしているのも、子どもの自由を考慮してのことと思われる。
4.ユニークな企画・催し
 ここでは、社会教育活動の一環として各種の催しも企画・実行されている。訪問時に募集していた「Stay Overight With Us」と「Birthday-Party at the Museum」の二つには興味を惹かれた。前者については、最近美術館に泊まり静かな夜間に展示を鑑賞しようといった活動が聞かれるが、これも博物館に泊まっていろいろな体験をしようという宿泊学習である。後者は「博物館の中でパーティをしませんか?」という企画で、実際に誕生日会が開かれていた。また多民族国家の合衆国らしい催しとして、「Arabic Children's Festival」「the Jewish Holiday of Freedom」、「Annual American Indian Day」など民族の祝日を体験する機会も取り入れている。その他ガーデニング講習会、映画上演会なども各月開かれている。
  5.教師への支援活動
 この博物館の教育活動の中には、教師への支援活動も含まれている。本館ではマサチューセッツ州とボストン市、ブルックリン市のカリキュラムに対応した学習資料や教材キット、あるいは館を訪れた際の学習プログラムを用意していて、常に現場の教師がそれらを無料で活用できるしくみになっている。内容は歴史、自然科学、工学、語学、美術など多岐にわたり、それぞれ各学年に対応して活用しやすくなっているほか、要請に応じてカリキュラムの開発、教材の作成の支援もしているとのことである。教師向けのセミナーも随時開催しており、自主的に参加する教師が多いそうである。また、本館のホームページを見ると(http://www.bostonkids.org)、「PARENTS」「KIDS」の案内のほかに「TEACHERS」の項目もあり、インターネット上でも教材検索が可能となっているし、館内にも資料閲覧や相談が可能な「TEACHER CENTER」があり、スタッフが常駐している。
「UNDER THE DOCK」 「SUPERMERCADO」
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下から見ると海底気分
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