
取組実績と課題
2.アクションリサーチの方法と内容
アクションリサーチ期間
附属小学校…平成17年度〜18年度末までの2か年間
大手町小学校…平成17年度10月〜18年度末まで1年と4か月間
アクションリサーチとしての取組
- 具体的な支援
- 原則は月2回程度の協議での今後の展開についての話し合い
- かかわる事象(フィールドと内容)と事象のかかわらせ方についての助言
- 体験活動における物品の諸準備、現地での直接支援
- 児童への講話
- 当方としての情報収集
- 必要に応じての映像データ収集
- 振り返りシートや作文等の収集
- 体験活動時の児童の発話記録の収集
両校の学習の流れ
大手町小学校(平成18年度):
- 春の青田川を繰り返し散策(整備されていく護岸、濁る水辺、臭い水質)
- 中流域まで遡る(魚影の発見、ゴミの投棄の観察)
- 中流域での雑魚捕り体験(生息する魚類調べ)
学級水族館の設置と魚の調べ活動 - 上流の観察と水生生物調査(水質、水温調べ含)
清流の素晴らしさとその流れが市街地に入ると一変することへの理解 - 「青田川を守る会」の青田川クリーン作戦に参加
- 青田川と他の河川の比較のために大瀬川にて雑魚捕り体験、大量捕獲
魚相の豊かさの違いの要因についての問題意識が芽ばえはじめる - 関川へ遡上するサケとの遭遇
- 青田川へのサケの遡上調査
儀明川に上がるのに青田川に遡上しない現実を考える - 桑取川でのサケ遡上と捕獲の様子の観察(受精卵の入手)
- 稚魚の飼育と青田川に放流すべきかでディベート
- 青田川のこれからについての提言まとめ
附属小学校(平成17年度):
- 川原での遊び体験
- 関川の源流での水遊び体験(冷たさ、透明度、COD測定)
- 昔の人々の生活と河川の関わりについて、いろいろな名人との出会いと講話
- 挑戦してみよう川とのかかわり−雑魚捕り体験−
大量の魚種と捕獲量、学級水族館、魚の種類と生態の調べ活動 - 河口近くの戸野目川での釣り体験
淡水魚と海水・汽水魚の大量な釣果、堤での汽水域に生活するカニの捕獲もんどりによるモクズガニの捕獲 - 昔の人々の生活体験
洗濯板による川原での洗濯体験、野菜洗い・銀杏洗い体験、てんびんによる風呂の水運び体験 - サケの遡上との遭遇
産卵の様子の観察、サケの捕獲に挑戦・失敗、死んだサケの腹を開いて卵を観察(産卵前に体力が尽きたサケへの同情) - 昔は生活の一部でもあった河川が、現在は疎遠となった原因を考える。
調べ学習や聞き取り調査 - 児童の興味関心がサケに集まったことから、桑取川でサケの捕獲作業の見学
- サケの受精卵・稚魚の飼育
- 「サケの稚魚をどこの川に放流すべきかで繰り返し学級討論」
- 「サケの関川放流」
- 「サケに思いを寄せて、これからの河川へのメッセージをまとめる」
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川での野菜洗い | 風呂の水汲み体験 |
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川での洗濯板を使った洗濯体験 |
具体的な学習活動への支援の実際
活動 | 支援内容 | 成果 |
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導入としての講話・実演 | 附属小学校:昔の人々の生活と河川のかかわりについての講話。各種の釣り方の紹介、投網名人を招聘しての実演。 | ・野菜洗い、風呂水、雑魚捕り、釣り、カニ釣り等の生活とのかかわりに興味を持つ。 ・投網の実演に感動する。 |
雑魚捕り体験 | 附属小学校:正善寺川に入っての弓だもによる雑魚捕りを支援。 | ・モクズガニ、ヤリタナゴ、マブナ、ウグイ、カマツカ、ヨシノボリ、ドジョウ、シマドジョウ、ヤゴ、ウシガエルのオタマジャクシ等を捕獲。 ・児童は帰校後、学級水族館をつくり、魚種を調べて飼育。 |
雑魚捕り体験 | 大手町小学校:青田川での枝支流と本流での雑魚捕りを支援。 | ・枝支流でヤリタナゴ大量捕獲。 ・本流ではウグイ、タモロコ、カマツカ、ドジョウ、シマドジョウ、モクズガニを捕獲。 ・学級水族館をつくり飼育。 |
上流の生き物調べ | 両校:上流の水温、透明度、COD を調べ、石に潜む生き物採取と観察を支援。 | ・下流との水温、透明度等の差異を実感。 ・カゲロウ、カワゲラ等との水生昆虫とサワガニ、カジカ等を採取。 |
釣り体験 | 附属小学校:河口に繋がる戸野目川での釣り体験の支援、竿から仕掛まで全てを準備。 | ・マブナ、マハゼ、ボラ、クロダイ、スズキ、モクズガニ等の釣果。 ・ヨシの土手の穴からアカテガニ、クロベンケイガニ採取。 |
雑魚捕り体験 | 大手町小学校:青田川との比較のために大瀬川での雑魚捕りを支援。 | ・水生植物が大量繁茂、深みと浅瀬があり、60cmクラスのコイ3匹、ライギョ1匹、マブナ大量に捕獲。 ・何でこんなに魚が多いのかと青田川との比較から問題意識が芽ばえる。 |
昔の人々の川原での活動体験 | 附属小学校:関川の川原で洗濯板を使っての洗濯、野菜洗い、銀杏洗い、風呂の水汲み体験を支援 洗濯板、天秤と容器、野菜等の材料を提供支援。 | ・しゃがんでの洗濯作業に悲鳴を上げる。 ・縄、藁を使って野菜や銀杏を洗う。 ・天秤での風呂の水汲み体験、フラフラしながらの辛い体験。 |
サケとの遭遇体験 | 両校:自然の遡上サケとの出会いを支援、死んだサケの卵の取り出し、サケを捕獲観察し再度放流。 | ・浅瀬に背びれを出して産卵行動をするサケを観察、打ち上げられたサケの腹を裂いて卵を取れ出す。取水堰のためにそれ以上遡上できないサケを説明。 ・魚道をのぼるサケを捕獲し、観察後放流。 |
