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学校教育学部

学校臨床コース

学校臨床コースは,「学習臨床」,「生徒指導総合」,「学校心理」の3つの科目群で構成されています。

学習臨床

「学習臨床」は,学校教育の課題のひとつを一人ひとりの子どもの学習を実現することととらえ,子どもの学習場面に臨みながら学習の過程と学習の成り立ちを適切に把握し,子どもが自己を確立・表現できるような教育活動を展開できるカリキュラム開発能力を備えた教員の養成をめざします。そのために,実際に子どもとのかかわりをもちながら,一人ひとりの子どもの学習の実現のあり方を学ぶ科目が用意されています。

「学習臨床」では,教育方法臨床,学習過程臨床,情報教育,総合学習の4つの領域について専門的に学習できるように授業科目が構成されています。開設科目は大学院科目との連動を考慮して作られています。大学院に進学してより専門的に研究を進めたい場合もスムーズに移行することができ,さらに専門的能力を伸ばすことが可能です。

教育方法臨床

「子どもの個性が輝き・子ども一人ひとりの学びが生きる」ことを実現する教育方法を多面的に考えることが教育方法臨床のキーコンセプトです。そのために次のようなプログラムを用意しています。

第1に,子どもの学びの本質を理解し,授業構成の方法を,授業実践をフィールドとして研究し,実践的力量を高めていきます。
第2に,専門的な文献や資料を丹念に読み,教育課程を総合的に検討できる理論的な基礎を学んでいきます。
第3に,学級におけるコミュニケーションについて,授業実践をフィールドとして研究し,授業検討の能力を高めていきます。

主要な科目は,「教育方法学」「教科・教材基礎論」「比較教育改革史」「学級コミュニケーション論」「授業研究法」などです。

学習過程臨床

学びの中で子どもたちは,問題場面に対し自らの持てる力を結集し,自分なりの理解を作り上げ,そして世界の新たな側面や自らの新たな可能性に気づいていきます。こうした子どもの学びを支援できる教師をめざすために,学習過程臨床では,子どもの学習場面に寄り添いながら,一人ひとりの学びがどのように成り立っていくのかを共感をもって見つめていくこと,そこでとらえたことに基づき子どもの学びがさらに発展するための手だてを考え出していくことに取り組んでいきます。

こうした取り組みのために,学習場面に焦点を当てる「学習場面臨床学」や,個々の子どもの学びの様子に焦点を当てる「学習臨床支援基礎」などの講義を準備するとともに,教育実習にもより重点を置き,講義・演習と教育実習とを関わらせながら,子どもを見つめ支援する力を理論的にも実践的にも高めることをめざします。

情報教育

これからの学校教育では,情報教育を推進することが大きな課題となっています。情報教育は,a.情報活用の実践力の育成,b.情報の科学的な理解の形成,c.情報社会に参画する態度の形成をめざしています。

そこで,情報教育領域では,情報教育カリキュラムの開発,情報教育を目的とした授業の設計と授業実践及び授業分析評価改善方法,学習課題を解決するためのメディア活用の方法,学習活動を支援するための教材開発及び学習環境開発等に関して,理論的・実践的に内容・方法を検討します。そして,情報教育の実践に関する教師としての資質の向上と能力の習得をめざします。さらに,情報教育の推進するための校内・地域リーダーとしての資質の向上と能力の習得をめざします。

そのために,情報活用能力の育成に関する理論的・実践的な内容を体系的に習得することができるように講義科目が用意されています。演習・セミナー等においては,実践研究,開発研究,実証研究を実際に行うことを通して,授業実践の力量を身に付けるとともに,研究の基礎となる知識の習得と研究・実践に関する考え方の体得をめざしています。

総合学習

総合学習領域では,小・中・高等学校における「総合的な学習の時間」や,学習者の主体性と既存教科の枠組みを越えた横断的で柔軟性のある「総合学習」に関する教育実践と理論の統合をめざしています。

そのために,これからの変化の激しい時代に求められる,自律的・創造的・協調的な生活実践力を育む学びを支援する教師としての資質の向上と能力を養います。さらに,家庭・地域との連携を図りながら,教師の日々の創意と工夫の積み上げによる総合的なカリキュラムづくりをする能力を,教育実践・省察・改善を通して育成します。開講科目として,「野外体験演習」「地域文化教育論」「国際交流体験演習」など,体験的・実践的で問題解決的な学習や,学部学生と科目群の大学院生や全教員とが一体となった協同的な学びを重視しています。

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生徒指導総合

「生徒指導総合」では,不登校,いじめ,暴力など現代社会の子どもをめぐる問題や,学級運営や学校経営,教育行政や保護者・地域社会に関わる問題などを総合的に研究します。これら様々な教育問題について考え,その具体的な解決方策を探ることを通じて,将来,教師あるいは教育に関わる仕事に就こうとする学生諸君に必要な,高い技能と識見を身につけることをめざしています。

現代の学校が抱える複雑な問題を解決するためには,個別的・技術的な対処法だけでなく,学校教育に関する根本的な理解を踏まえることが不可欠です。このため『生徒指導総合』では,子どもや教師という個人に注目する観点から,学校を支える社会や国・自治体の行政,教育の歴史や理念といった大局的で大きな観点までを包括的に視野に入れています。具体的には,以下のような3つの観点から研究を進めています。

  • 生徒指導の基本である児童・生徒の自己指導力をはぐくむための具体的な理論と方法を学びます。そのために,キャリア教育,特別活動,道徳教育,生徒指導や教育相談など,教科以外の教育活動に関する科目が幅広く用意されています。
  • 学校教育を支える組織的な活動や仕組みについて学びます。学級,学校という組織,教育に関わる法規や制度などについて学ぶことにより,実行可能な解決方策を立て協同して取り組める指導力ある教員をめざします。
  • 学級内の教師と子どもとの関係,子どもの仲間集団,学校の雰囲気や風土,学校と家庭や地域との関係,社会環境と子どもの歴史的な変容などについて,観察や質問紙調査,文献資料による科学的な研究手法を通して学びます。
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学校心理

「学校心理」では,学校や家庭における子どもたちの多様な「心と行動の現象」を心理学の視点から総合的に理解することをめざしています。子どもの認知的・社会的発達や学習のプロセス,それを支える多様な人間関係,個性の確立と危機など,子どもたちの心を多角的に探求するとともに,彼らの発達と学習を適切に援助していくための理論と方法を追究しています。

そのためのカリキュラムとして,心の発達,学習,学級集団などの心理学の各領域にわたる授業科目が用意されています。また,心と行動について調べるための調査・実験法とデータ解析法を,実習・演習を通して詳しく学びます。知識だけでなくそうした科学的で実践的な方法と態度を学ぶことによって,子どもたちの心によりよく働きかけ,また今日的な心の問題にも取り組むことができるような教員を養成しようとしています。

大学院修士課程との一貫性を重視したカリキュラムを編成していますので,さらに大学院へ進学してより専門的に研究を進めたい場合にも,スムーズに移行することができます。


このページは上越教育大学/教育支援課が管理しています。(最終更新:2012年05月18日)

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