6.「上越教育大学(上越・妙高地域連携)スタンダード」作成

「上教大スタンダード」の意義

1 上越教育大学スタンダード作成の意義

クリックで拡大します 本学では,平成20年度に「上越教育大学(上越・妙高地域連携)スタンダード(以下,上教大スタンダード)」の作成を予定しています。
 スタンダード作成の主な理由は,次の3点です。
 1点目は平成12年以降の上越教育大学の内発的な大学教育改革の潮流があることです。2点目は平成18年7月の中央教育審議会の「教職実践演習(仮称)」の提言があったことです。3点目は上越教育大学が創立以来,上越・妙高地域と緊密な連携を保ち教育研究活動を推進してきたことです。

2.検討・実施の体制

 本学は,平成17年度に特色ある大学教育支援プログラムの採択を受け(教職キャリア教育による実践的指導力の育成),「特色GPプロジェクト実施委員会」が設立されました。この委員会を中心にして教育実習委員会とフレンドシップ事業実行委員会,教員養成カリキュラム委員会が連携し,教育実習を中核としたカリキュラム改革に取り組んできました。平成19年春からは,「中教審到達目標」の枠組みを参考に「教職実践演習」のプログラムを作成し,その円滑な運営のため「教職実践演習推進専門部会」を立ち上げました。
 また,スタンダードを作成・検討するため「上越教育大学(上越・妙高地域連携)スタンダード作成ワーキンググループ部会」と,「上越教育大学(上越・妙高地域連携)スタンダード作成委員会」を設立し,「中教審到達目標」の枠組みを参考にスタンダードの設定に取り組んでいます。

3.現在の取組と今後の見通し

 本学は,平成19年春から,「中教審到達目標」に準拠した「教職実践演習」を選択科目として開講し,試行しています。また,それと前後し上教大スタンダードの作成に向け,次の手順で条件整備を進めています。

(1) 平成18年度
@ 平成18年秋に,学生の実態を把握するため,「中教審到達目標」を参考に質問紙を作成し,学部3年次を対象にアンケート調査を実施した。
A 平成18年度,上越市教育委員会が作成し市内の教育現場で活用している「授業チェックリスト」を分析検討した。
B 教育実習協力校会議や校長会での意見聴取の結果,各種アンケート調査の結果を参考にして,初等教育実習前に身に付けるべき資質・能力と実習中の到達目標について検討した。
C @からBまでの結果を踏まえ,2年次終了段階(初等教育実習前)までに,確実に身に付けるべき資質・能力と実習の到達目標を検討し,教育実習ルーブリックを作成した。
(2) 平成19年度
D 「教職実践演習推進専門部会」を立ち上げ,教職実践演習を試行した。
上教大スタンダードを作成・検討するため「上越教育大学(上越・妙高地域連携)スタンダード作成ワーキンググループ部会」と,「上越教育大学(上越・妙高地域連携)スタンダード作成委員会」を設立し,意見交換を行っている。

クリックで拡大します 以上のように,本学の作成方法の特色は,上越教育大学が地域と連携し培ってきた教育の基盤を生かし,「中教審到達目標」と上越教育大学のカリキュラムの現状や学生の実態を検討し,実践を通じて検証を行い,その上で上教大スタンダードの作成を試みていることです。
 本学では,「中教審到達目標」に準拠した枠組みで教職実践演習と教育実習の実践を積み重ね,その成果と課題を整理することを通じて,上教大スタンダードを作成する予定です。