★ 教科書は「仕組み」の図鑑

中学校の数学では「ルールにしたがってどんどん進んで
いく ゲーム をする」と気持ちを切り替えました。そして
そのゲームは何らかの 仕組み を出発点とするのでした。
「仕組み」から出発して、ストーリーを展開していく
ので、学習の中では、その「仕組み」について
わかることがいろいろと出てくることになります。

もしも、皆さんの身のまわりで数学で学習したのと
同じ「仕組み」を持っていると見なせることが
あれば、それは数学を用いて表現することができ
ますし、数学で学習した「仕組み」についての
知識や情報、技能
を使うことができます

ある方向と逆の方向がセットであるような仕組みが
見つかれば、 正負の数 で表現できるでしょう。
そして、正負の数で表現できれば 正負の計算
でき、そこから新しい情報を導くことができます。
数値の間に何らかの「仕組み」があれば、
方程式で表現 し、方程式を解いて新しい情報が
得られます。
さらに、数値の中に変化するものがあれば、
数値間の「仕組み」を 関数 としてとらえることで、
関数の知識を使って新しい情報を得ることができます。
形に関わる「仕組み」であれば 図形 の知識が、
いろいろな可能性から1つを選ぶような「仕組み」なら
確率の知識が、
大量のデータの中に見られる「仕組み」なら
統計の知識が使えます。

数学の教科書は一見すると、いろいろな知識が
羅列されているように見えるかもしれません。
でも、それぞれの内容が何らかの「仕組み」に
ついて調べているので、結果として、その「仕組み」
についての知識や情報、それに関わって使える技術が
紹介されているものと、考えることができます。
いわば教科書はいろいろな「仕組み」についての
図鑑なのです。身のまわりで「おや、これは」と
思うような「仕組み」に出会ったら、数学の教科書
を探すと、その「仕組み」についての情報や、
それを扱うためのワザを見つけることができる
かもしれません。

数学の学習が進むと扱える「仕組み」についての
レパートリーがふえていきます。それは、数学で
表現し、新しい情報を得ることができることがらが
ふえるということでもあります。また、同じ「仕組み」
についてでも、使えるワザがふえたり、高度になったり
するので、なおさら多くの新しい情報が得られるように
なります。

数学を学習する時に、「今はどんな『仕組み』に
ついて考えているのかな」という観点で見直して
みると、見通しがよくなります。