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ウクライナ情勢と教育大学 (令和4年3月)

J-style通信

 新型コロナウイルスの感染拡大が収まらない中で、ロシアがウクライナに軍事侵攻するという事態が発生しました。私はどんな戦争にも反対ですが、それを国際紛争解決のための手段として使うということは、今でも現実に行われています。それを2月24日に世界中が目の当たりにしました。3月2日には、国連総会で、ロシア軍の即時撤退を求める決議案が賛成多数で採択されました。しかし、すべての国が賛成したわけではありません。賛成が141か国に対して、反対した国が5か国、棄権した国が35か国ありました。

 ネット上に流れるさまざまな情報に目を通すと、それぞれの国にはそれぞれの事情があり、絶対的な平和主義を掲げるような単純な主張は、理想上のものでしかないようです。しかし、それでもなお、侵攻された地域にも、ごく普通の市民が住んでいるということ、それぞれに家族や友人がいて彼らの命を守りたいと願っているということ、そうしたことに思いを致すことが大切なのではないかと思います。

 こうした報道に接すると、「人間の作り出した文明は進歩しているのだろうか?」という思いに駆られます。残虐な行為は昔よりは少なくなっているのでしょうか。さまざまな技術の開発や社会システムの充実によって確かに生活は便利になっていますが、良心が痛まない形で平気で残虐な行為を行えるようになっているということはないのでしょうか。

 こうした問題に対して軽々に答えを出すようなことはできません。ただ、一刻も早く、軍事力によらない話合いでの解決が進められるように願っています。

 この件に関しては、本学でも声明のようなものを出す必要がないかどうか、私は少し悩みました。東京大学や広島大学の学長がいち早くメッセージを発出しています。学内に「ウクライナやロシアと関係の深い教員、学生」がいるということ、「人類史上初の原爆が投下された広島に開学した大学」であるということなどが、そうしたメッセージの中では言及されていました。本学は単科の教育大学であり、大学としての位置づけはこうした大学とは異なるものの、平和を希求するという点では志を同じくします。また、こうした戦争と平和に関する問題は、小中学校や高校の教育の中でも取り上げ、議論すべき重要なテーマであり、教師を目指す本学の学生・院生の皆さんにも深く考えていただきたいと思っています。

 私が逡巡しているうちに、3月4日には、本学も協会員となっている一般社団法人国立大学協会の総会の席上、声明を出すことが決議され、同日、「ウクライナ情勢に係る国立大学協会声明」が出されました。私もこの声明に賛同しています。

令和4年3月8日 
学長  林 泰成 

 


*「ウクライナ情勢に係る国立大学協会声明」は次のURLで見ることができます。https://www.janu.jp/news/9782/
*この「J-style通信」は、学外の皆様にもご覧いただけるようになっていますが、まずは本学学生・教職員に向けたものです。したがいまして、このメッセージが、全国に向けた声明文というわけではございません。


このページは上越教育大学/広報課が管理しています。(最終更新:2022年03月08日)

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