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大学院学校教育研究科修士課程における修了認定・学位授与,教育課程編成・実施及び入学者受入れの方針

第1章 総則

1 教育の理念・目的

教員という職業は,豊かな人間性に支えられた専門職である。その専門性には,子供たちの学習と生活を支援でき,そして人類の築き上げた文化を全体として理解・把握する,つまり様々な学問分野の考え方を整理・統合し,人間の文化的営みを理解できる総合的な資質・能力が求められている。

そのため,上越教育大学(以下「本学」という。)は,本学大学憲章に基づき,子供の未来を切り開くことのできる確かな実践力を備え,我が国の教育を担う中核的・指導的な教員の養成を目指している。

2 大学院学校教育研究科修士課程の目標
(1) 学校教育専攻

臨床的視点から,幼稚園,小学校,中学校,高等学校及び特別支援学校等における教育に関する理論と応用を教授研究し,広い視野に立つ精深な学識を授け,教育にたずさわる者の使命と熱意に応え,その研究研鑽を推進するとともに,初等中等教育の場において教育研究を創造的に推し進めることのできる能力を備えた有為の教育者を養成する。

(2) 教科・領域教育専攻

教科教育の多様な視点から,学校教育に関する理論と応用を教授研究し,広い視野に立つ精深な学識を授け,教育にたずさわる者の使命と熱意に応え,その研究研鑽を推進するとともに,初等中等教育の場において教育研究を創造的に推し進めることのできる能力を備えた有為の教育者を養成する。

第2章 修了認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)

3 修了認定・学位授与の方針の定義

教育の理念・目的及び大学院学校教育研究科修士課程の目標に基づき,どのような力を身に付けた者に修了を認定し,修士(教育学)の学位を授与するのかを定める基本的な方針であり,学生の学修成果の目標となるものである。

4 修了認定・学位授与の方針
  •   大学院学校教育研究科修士課程で所定の単位を修得し,学位論文又は特定の課題の審査及び試験に合格することにより,以下に示す能力と条件を満たした者に対して,修了を認定し,修士(教育学)の学位を授与する。
    •  広い視野に立つ学識を習得し,教育の理念・方法及び人間の成長や発達について,臨床的又は教科教育の多様な視点から理解している。【知識・技能】
    •  学校現場における様々な課題について,各学問分野の理論や方法を用いて分析し,多様な解決策を提案できる。【思考力・判断力・表現力】
    •  一人一人の子供の学習と生活を支援できる,高度な実践的指導力を有している。【指導力】
    •  学校教育に対する社会のニーズを意識して教育実践を省察し,自らの専門性を高めていくことができる。また,初等中等教育の場において教育研究を創造的に推し進めることができる。【学びに向かう態度】
    •  教育に対する熱意を持ち,教育者としての使命を深く自覚している。【人間性】

第3章 教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)

5 教育課程編成・実施の方針の定義

ディプロマ・ポリシーの達成のために,どのような教育課程を編成し,どのような教育内容・方法を実施し,学修成果をどのように評価するかを定める基本的な方針である。

6 教育課程編成・実施の方針
  • (1) 大学院学校教育研究科修士課程の目標達成に資するよう,カリキュラムは以下の科目で編成・実施する。
    •  学校場面に生起する諸問題に取り組み,学び合いの中から問題解決が可能となる実践力を育成する科目(共通科目)【知識・技能・人間性】
    •  現代の教育課題と学際研究の進展に対応した高度な専門性を形成するために,各専門領域に関わる専門科目及び学校教育に関する広範な専門分野における方法論と教育実践学へのアプローチに関する方法論に関する科目(専攻科目)【思考力・判断力・表現力・指導力】
    •  各自の研究テーマを具体化する専門セミナー【表現力】
  • (2) 上記(1)のアからウまでを総合的に学修する中で,教育研究を創造的に学ぼうとする態度及び豊かな人間性を育成する。【学びに向かう態度・人間性】
  • (3) 学修成果の評価については,各科目の評価基準をシラバスにおいて明示するものとする。
7 教育課程の保証

学生の入学時の教育課程は,原則として当該学生が修了するまでは保証するものとする。

8 教育課程編成の体制

教育課程の編成については,カリキュラム企画運営会議が定める教育課程の編成基準等に基づき,全教員が協力体制の下で行うものとする。

第4章 入学者受入れの方針(アドミッション・ポリシー)

9 入学者受入れの方針の定義

教育の理念・目的,ディプロマ・ポリシー,カリキュラム・ポリシーに基づく教育内容等を踏まえ,どのように入学者を受け入れるかを定める基本的な方針であり,受け入れる学生に求める学修成果を示すものである。

10 入学者受入れの方針
  • (1) 修士課程では,以下に掲げる学生を求めており,そのために,筆記試験及び口述試験により入学者の選抜を行う。
    •  教育及び専門領域の内容について,学士課程卒業相当の知識,実技能力及び研究方法を身につけている。【知識・技能】
    •  教育をめぐる現代的諸課題について,専門的な知見をもとに,その対応方策を体系的総合的に考え,判断し,その過程や
       結果を適切に表現することができる。【思考力・判断力・表現力・指導力】
    •  学校等に対する社会のニーズを踏まえ,自己の学修課題・研究課題を明確に意識し,教育者として主体的にそれらに取り
       組もうとする意欲を有し,自主的に社会に貢献しようとする。【学びに向かう態度・人間性】
  • (2) 修士課程の学校教育専攻及び教科・領域教育専攻の各コースのアドミッション・ポリシーは,以下のとおりである。
学校教育専攻

〈グローバル・ICT・学習研究コース〉

  •   グローバル・ICT・学習研究コースは,現代の子供たちが,多様で変化の激しい社会を生き抜く力を身につけるため,社会・文化的,技術的ツールを活用して多様な人々と協働して課題に取り組み,自らの生き方をつくり出していく学びが求められていると考えている。そのような学びのある学習活動やカリキュラムを創造し,子供たちの学びの実際と教育の現代的課題に対応できる資質能力を持った教員を養成することを目標としている。
  •    本コースは,これまで身につけた専門性を基盤とし,教育の現代的課題に対応した学びを創造する資質と能力を養う学修が必要と考えている。自ら社会・文化的,技術的ツールを活用し,教育の国際動向や,学校・家庭・地域環境など学びのフィールドの実際を捉え,学校教育の課題解決に資する学習臨床的な研究を促す。そうした学修に主体的に取り組み,21世紀の学びの創造に活かす意欲を有する人を求めている

〈道徳・生徒指導コース〉 

  •   道徳・生徒指導コースでは,規範的意識や道徳的実践力の育成をはじめとして,生徒指導上の今日的課題である不登校やいじめ問題の予防や対応と良好な人間関係づくり,望ましい集団活動を通した社会性の育成,児童生徒個々人が自分の生き方・在り方を考えるための指導・援助などを,社会全体の動向を踏まえながら検討する。こうした臨床的・実践的な教育研究活動を通して,教育的な支援活動の理論を深く理解し,専門的職業人として活躍できる教育者を育成することを目的としている。
  •   本コースでは,これまでの教職経験を踏まえ更なる職能発達をめざす現職教員や,これから教員を志望する学生や社会人など,臨床的・実践的な教育研究能力を高めたい人を求めている。 

〈教育連携コース〉

  •   教育連携コースでは,教師と子供・地域社会との連携や,初等教育から高等教育までの移行を支える連携など,連携という視点に立って,教育の在り方について専門的に追究している。それを通じて,学校教育と子供の発達を広い視野から俯瞰できる広い学識と深い理解に基づいて,教育実践における多様な連携をデザインし,コーディネートできる高度な実践的力量を備えた教育者を育成することを目的としている。
  •   本コースでは,これまでの教職経験を踏まえ更なる職能発達をめざす現職教員や,これから教員・研究者を志望する学生や社会人など,「常識」にとらわれない柔軟な思考力と,自ら考え行動する探究心を持ち,教育の現代的課題について,教育学や心理学の立場から深く追究したい人を求めている。

〈臨床心理学コース〉

  •   臨床心理学コースは,教育分野をはじめとして,医療,福祉,司法,産業など様々な分野で貢献できる臨床心理士の養成を目的としている。また,本学は教員養成と現職教員の再教育を専門とする大学であることから,本コースでは,学校現場における子供の「こころ」の苦悩や課題の解決に必要となる,教育相談及びカウンセリングの知識と実践力を身に付けた専門的教員の養成も目的としている。そのために,講義や実習,スーパーヴィジョン等を通して,豊かな人間性と倫理観,専門的技術を発揮できる人材の養成を行う。
  •   将来,スクールカウンセラーや教育相談員等の教育現場はもちろん,医療,福祉などの幅広い分野において活躍するために,心理臨床に必要な専門的技術を修得することに積極的に取り組む意欲のある学生を求めている。

〈幼年教育コース〉

  •   幼い子供の教育現場は,子供観の変化や指導観の多様化,家庭教育機能の低下をはじめ,様々な課題に直面している。幼年教育コースは,そうした状況と子供たちの実態を確実にとらえる研究者や,子供たちの能力や個性に応じた専門的な知識と実践的な指導力を持つ教員を養成することを目標としている。そのために,幼年教育学,幼年心理学,保育内容研究,近接領域の研究を専門とする教員が連携しながら研究・教育の充実に努めている。
  •   本コースは,①幼年教育学,幼年心理学,保育内容研究,近接領域のいずれかについて基本的知識を持ち,さらに専門的研究を深めたい人,②教職・保育職経験を持ち,専門的に研究することによってさらに実践力を高めたい人,③幼い子供たちの成長に関わることにやりがいと使命を感じることができる人を求めている。

〈特別支援教育コース〉

  •   特別支援教育コースは,障害のある幼児児童生徒の教育的ニーズに応じて適切な指導と必要な支援を行うことができるように,なかでも実践的な臨床指導を重視し,特別支援教育の現場で直接活かすことができる実践的指導力を身につけた専門性の高い教員の養成を目標としている。
  •   本コースは,①特別支援教育を創造的に推進していこうとする意欲のある人,②特別支援教育に関する様々な課題に主体的に取り組もうとする人,③障害のある幼児児童生徒の成長発達にかかわる教職にやりがいと使命感を持てる人,④特別支援教育に関する高度な専門的知識と実践的指導力を身につけようとする人,そして,⑤教育・医療・福祉・労働等に関わる人々との連携・協力を図っていこうとする人を求めている。

 教科・領域教育専攻

〈言語系教育実践コース〉

  •   言語系教育実践コースは,言語の本質と機能,言語表現,言語芸術に関する総合的研究を基盤に,言語・文学及び言語系教科教育に関する専門的な研究・教育を行い,広い視野と深い学識の上に,教科専門性と実践的技能を合わせ持ち,一人一人の学習に対応できる創意溢れる実践力を持った教員の養成を目標としている。
  •   本コースは「国語」と「英語」の科目群からなり,教科教育の内容と方法に多様な視点を提供する。「国語」の科目群は,国語学,国文学,書写書道,国語科教育の各領域によって構成され,「英語」の科目群は,英語学,英米文学,英語科教育,小学校英語教育,異文化コミュニケーションの各領域によって構成されている。
  •   本コースは,各教科領域の専門的な理論と方法の体得を通して言語を統合的にとらえる実践力を培い,教育研究を創造的に造り上げようとする,意欲的・積極的な人を求めている。

〈社会系教育実践コース〉

  •   社会系教育実践コースでは,社会について良く知っており,また知ることができるからこそ,社会科を良く教えることができる,そのような研究と指導の高い能力をそなえた教員の養成を目指している。それは,持続的な調査研究能力をもつ社会科教員であり,学び続けることができる社会科教員である。つまり,単なる社会科教員ではなく教育研究実践者である社会科教員,すなわち,より良い社会科教員を養成することを目標としている。
  •   本コースでは,これまでの教職経験を活かして,さらなる向上を目指す現職教員に加えて,学部で身につけた専門性や社会人としての経験を踏まえて,小学校・中学校・高等学校等で活躍する研究力と実践力をそなえた,より良い社会科教員を目指す意欲と志のある人を求めている。

〈自然系教育実践コース〉

  •   自然系教育実践コースは,数学や科学における,知の蓄積と体系化の歴史や自然科学の発展に関する教養や知識を基礎として,数学や科学の学習ならびに問題解決の面白さ等を,児童・生徒に感動とともに伝えられる,実践的指導力のある教員の養成を目的としている。
  •   本コースは,「数学」と「理科」の科目群で構成されている。「数学」では,数や図形等の性質を帰納的に導き,証明を通して演繹的に理解するなどして,数学的な見方や考え方の本質や教育内容の意義を学ぶ。「理科」では,観察や実験を通して自然事象に隠された規則性や原理・法則を導く過程を通して科学的な見方や考え方の本質や教育内容の意義を学ぶ。さらに,それぞれの科目の特徴を踏まえ,学習に関わる理論研究の知見を応用して,教育の現代的課題に対して十分な実践力と豊かな創造性をもって改善を図ることができる資質の高い教員を養成する。本コースは,このような教員を目指す意欲のある人を求めている。

〈芸術系教育実践コース〉

  •   芸術系教育実践コースは,言葉を超えたコミュニケーション手段である音楽と美術について理論,実践の両面から究めるとともに,芸術によって育まれる豊かな感性を持つ意欲的な人材を養成することを目標としている。
  •   「音楽」の科目群は,音楽教育に関する専門の学芸を教授研究し,人間と音楽との関わりにおいて広く豊かな知識を授けるとともに,音楽教育実践の場において優れた指導力を備えた人材を養成することを目標としている。そのために,声楽,器楽,作曲,音楽学及び音楽教育学の面から,音楽上の技術及び表現力を高めるとともに,社会や文化を背景として成立した音楽としての理解と鑑賞力を育てている。
  •   「音楽」は,音楽の持つ力で日本の教育を変えてみたいと考える人を求めている。
  •   「美術」の科目群は,絵画,彫刻,デザイン及び工芸などの美術制作領域と美術科教育学,美術史・美術理論の専門領域を通して,人間と美術の関わりについて研究しながら,美術教育の実践の場において優れた指導力を備えた人材の育成を目標としている。
  •   「美術」は,将来,学校現場をはじめとする様々な分野で活躍しようとする意欲的な人を求めている。

〈生活・健康系教育実践コース〉

  •   生活・健康系教育実践コースは,人間が健やかに生活を営む上で必要な理論や実践について,幅広く教授研究し,生活や健康に関連する教育や指導の研究を創造的に推進できる能力を備えた教員や関連する機関でリーダー的役割を担い得る教員を養成することを目標としている。
  •   「保健体育」の科目群は,健康や体育・スポーツを取り巻く今日的諸課題に臨床的に対応できるより高度な専門性と,子供たちの明るい未来の構築のために柔軟に対応できる実践的指導力,創造的な教育・研究に取り組む力量を持った指導的役割を担い得る教員や健康,体育・スポーツ関連諸機関の指導者を養成することを目標としている。
  •   「保健体育」は,健康や体育・スポーツに関連する諸科学における理論と実践に関して強い興味と関心を持ち,研究を積極的に推進する意欲と実行力を備え,自らの学識・見識を高める意欲のある人を求めている。
  •   「技術」の科目群は,材料加工学,電気・電子工学,機械工学,情報工学,栽培学及び技術科教育学の6つを柱とし,専門知識と広い視野を持ち実践力のある教員の養成を目標としている。
  •   「技術」は,ものづくり教育が人間形成に果たす役割に関心があり,技術創造立国であるわが国の技術科教育の発展を担おうとする人を求めている。
  •   「家庭」の科目群は,家庭科教育学,生活経営学,食物学,被服学,児童学,及び住居学の6つの専門分野で構成されており,家庭生活を中心とした人間の生活を総合的にとらえた上で,暮らしの充実・向上を図る実践的能力を養うことを目標としている。そのため,生まれてから死ぬまでの人間の発達,及び人間の生活を支える科学,さらにこの両者を結びつける生活の経営の視点から,生活者に関わるさまざまな事象を教育・研究の対象としている。
  •   「家庭」は,自然・社会・人文科学における幅広い素養を有し,これからの家庭科教育の発展や,家庭科に関わる専門的な研究について真剣に取り組む人を求めている。
  •   「学校ヘルスケア」の科目群は,学校における健康に関連する諸科学を統合した教育・研究を通じて,広い視野に立った学識を備えた人材や教育実践を創造的に推進できる人材を養成することを目標としている。
  •   「学校ヘルスケア」は,学校における健康に関連する科学と教育実践に強い興味と関心を持ち,自らの学識・見識を高め積極的に研究を推進する意欲と実行力を備えている人を求めている。

  附 記
この方針は,平成29年4月1日から実施する。


このページは上越教育大学/教育支援課が管理しています。(最終更新:2023年01月23日)

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